~ 2 日 目 ~
2012年7月17日(火)

 
>>> 2012年 1日目
ご来光が・・・
 午前2時半に「山頂ご来光」組の出発の音で起こされ、その後良く眠れなかった。気が付けば窓の外も明るくなって、時計を見ると4時を過ぎた。ザックの準備をして1階に降り外に出て日の出の方向を見る。かなり明るくなってきたけどちょいと寒いので、中に入ったり出たりを繰り返しているといよいよご来光か。
 しかしながら、富士山周辺は雲が少ないのに、日の出の方向のみに大きな雲の固まりがある。  
富士登山の画像
 日の出の時間を過ぎたけど、丸い太陽は上がってこない。目を凝らすと雲の切れ間に赤い太陽がちょこっと見えた。手前の三日月形は山中湖。その左の雲海は、須走・御殿場から丹沢方面か。 富士登山の画像
キタ~
 昨年は「午前4時55分、厚い雲の上に太陽が顔を出した。神々しいとはこのことか・・・」などと言っていたが、今年は上空の薄雲に反射してしまい綺麗なご来光は望めなかった。
 まあ、今日一日天気は良さそうなので、気を取り直して4時52分山頂に向けて出発した。
(2012.07.17 04:41 撮影)  
富士登山の画像

山頂へ
本八合目~十合目(標高差 370m コースタイム 90分)
 本八合目から吉田口十合目までは昨年も登った道だ。ちょっと怠いけど高山病の気配もないので、昨年同様90分で登れるかな。
 それにしても登山者が少ない。登山道を見上げても数えるほどしか人が見えない。
八合五尺 御来光館 の横にはまだ雪が残っている。おお、その上には十合目のトイレも見える。
(2012.07.17 05:01 撮影)
富士登山の画像
 御来光館ではライブカメラを設置して富士山八合五尺の情報発信をしている。twitterなどでも生情報は発信されているけど、生画像はその時の状況が判るので嬉しいことだ。家族・友人などが富士登山をしている時に天候などを確認するのにも良いね。
 カメラがあるのは、手前から2つ目の窓だったと思います。 (2012.07.17 05:12 撮影)

御来光館のHPは こちら

富士登山の画像
 登り始めて20分ほどして振り返ると、太陽が雲の上に出ていた。ずいぶん高い太陽だと思えるけど、これでも午前5時22分! 太陽光有効利用の観点からもサマータイムなどの政策も必要だね。早朝の太陽を見るとつくづく思うよ。   富士登山の画像
ついに登頂!!
 6時14分、最後の砦、じゃなくて、最後の鳥居 をくぐり吉田口十合目に登頂!
 吉田口山頂には、静岡県富士宮市にある「富士山本宮浅間大社」の奥宮「久須志神社(くすしじんじゃ)」が鎮座する。登頂と言っても外輪山の頂上に登っただけで、本当の頂上「剣が峰」(3776m)は噴火口を挟んだ反対側だ。ピンバッチを扇屋で購入し、店前の展望の良いベンチで下界を見下ろしながら山小屋でいただいた朝食を食べる。
(2012.07.17 06:14 撮影)
富士登山の画像

タイムテーブル(本八合目~吉田口十合目)

ポイント標高到着/出発昨年
本八合目富士山ホテル3,350m--:--/04:52--:--/05:10
上江戸屋
トモエ館
3,370m04:54/05:0005:19/05:21
八合五勺御来光館3,450m05:14/05:1705:35/05:36
九合目鳥居3,580m05:35/05:4005:56/06:05
十合目久須志神社3,710m06:17/06:3006:40/07:00

お鉢めぐり(昨年のものを再掲)
こちら をご覧下さい

吉田口十合目~剣が峰~御殿場口十合目(標高差 66m コースタイム 90分)
  久須志神社 に参拝の後、お鉢廻りに出発。
昨年は右回りで、御殿場口、富士宮口と回ったが、剣が峰直前の急登り馬の背が大変だったので、今回は左回りで馬の背は降りることにした。
 2日目も大変に天気が良く、白山岳付近からは河口湖とその周辺が手に取る様に見ることが出来た。
 中央の湖は富士五湖のひとつ河口湖。
河口湖の裏側は 御坂山地 で中央の一番高い山は 黒岳 (1792.7m)その右が 御坂山 (1596.0m) 。さらに右の低いところが御坂峠で、峠を越えた甲府盆地は雲に覆われている。
(2012.07.17 06:42 撮影)

富士登山の画像
  今年は富士山頂付近の残雪が多く、噴火口内側や第二噴火口付近には多く残っていた。お鉢巡りルートは山頂直下以外雪はなかったけど、それが画像上部の斜めのスジ。この時はココを歩くことになるとは思っていなかった。
(2012.07.17 06:45 撮影)
富士登山の画像
  唯一雪の残っていたのが剣が峰直下の部分。20mほどの短い区間だけど、滑るとお釜(噴火口)の底まで落ちそうなので注意が必要だ。剣が峰直下側には通行止めのロープがあったが、白山岳側には何もなかった。
 立入禁止内で事故や遭難をしても保険は適用されないので要注意だ
(2012.07.17 07:31 撮影)
富士登山の画像
  富士山ホテルから2時間50分で日本最高地点 剣が峰 に到着した。2時間50分とはずいぶん時間が掛かったけど、途中で朝食を食べたり、写真を写したりとグズグズしていたので・・・。
 ここは登頂者が写真を撮るところで、混雑時には30分くらい並ぶこともあるそうだが、今日は途切れることがちょくちょくあった。
 右側の白い石が三角点。富士山頂はここと白山岳に二等三角点が設けられている。
 天気も良いし空いているので40分も居座ってしまった。今日は13時30分までに富士宮口新五合目に下りれば良いんで日程に結構余裕があるもんで。
(2012.07.17 08:18 撮影)
富士登山の画像
   昨年登るのが大変だった馬の背は、下りるのも大変だった。ザレ(砂利)が堆積しているところを滑り落ちない様に一歩ずつ慎重に歩を進めた。右側は崖になっていて、滑り落ちると1,000m位下まで・・・!
 馬の背を下り5分ほど歩くと、富士宮口の十合目、そこには富士浅間大社の奥宮が鎮座している。ここも人が少ない。昨年は鳥居の下で写真を撮るのに並んでいたのに・・・。
(2012.07.17 08:32 撮影)
富士登山の画像
  富士宮口十合目から登山道を見ると、こちらにも雪が残っている様だ。中央上のグレーの線は、富士宮口新五合目から下りる富士山スカイラインだ。
 富士宮口新五合目は標高 2,400mと登山口の中でも一番高いところにあるので、山頂までの距離は一番短い。が、登山道と下山道が同じなので「使いにくい」と言う人もいる。
 東名の富士ICが近いことや静岡駅、新富士駅からのバスもあるので中京、関西方面からの登山者が多いと言われている。
(2012.07.17 08:36 撮影)
富士登山の画像
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■下山
御殿場口十合目~七合九尺(標高差 420m コースタイム 65分)
 富士宮口十合目から2~3分歩くと御殿場口十合目に着く。
 鳥居の下には通行止めの標識(黄色)があるけど、外されている。通行止めが解除になったのか誰かが外したのかは判らないが、登山道に残雪は無いみたいだし登山道もそれほど荒れてなさそうなので下りることにした。
 後ろの建物は銀明館、ここしばらく休業の様だ。
(2012.07.17 08:39 撮影)
富士登山の画像
   御殿場口を下り始めて気が付いたのは、落ちそうな岩の多いことだ 登山道上に浮き石も多いし、段差の大きいところもあるので歩きにくい。登山道から手の届きそうなところにも支えのない石や岩がゴロゴロしているヨ。
(2012.07.17 08:52 撮影)
富士登山の画像
 下山を始めてから50分ほどで八合目 見晴館 に到着した。と思ったら、すでに廃業をしていて、建物も手前の頑丈そうな棟を残して崩壊している。ここは、写真を撮るだけで通過としましょ。
登山道を少し下ったところに見晴館の柱らしき材木が数本落ちていたけど、雪解けの際に流されてしまうのだろうか。
(2012.07.17 09:28 撮影) 
富士登山の画像

七合九尺~宝永山(標高差 602m コースタイム 60分)
 下山を始めてからちょうど1時間で七合九尺 赤岩八合館(標高 3,300m)に着いた。この小屋は夕食のカレーライスがお代わり自由と言うことで人気があるそうだ。もっとも、御殿場口は登山客が少ないので何らかの色を出さないとお客が来てくれないというのもあるのだろう。
 八合館の少し下には、富士宮口の八合目とをトラバースする道があるので、登りやすい富士宮口登山道を登って来て、八合目でトラバースして八合館泊まり、翌日に空いている御殿場口を使って登頂する方法もある。
(2012.07.17 09:38 撮影)
富士登山の画像
 
 
 八合館から20分ほどで砂走館(標高 3,090m)だ。小屋前のベンチから山道を見上げると、山頂とそこへ続く登山道が鮮明に見えた。天気が良すぎる 半袖Tシャツなので両腕と首回りが焼けてヒリヒリしてきた。
 赤岩八合館を出た辺りから左膝が痛み出したので、ベンチで20分ほど休ませていただいた。どこでも小屋前のベンチは基本無料、夜間や荒天の時に小屋内で休憩するときは、メニューの飲食物を注文しなければならない。
(2012.07.17 10:26 撮影)
富士登山の画像
 砂走館で20分近く休憩し下り始めるとガスに包まれる様になった。20分程度歩いた 3,015mところで交差するブル道(荷揚げ用ブルドーザー用の道)に入り込んでしまった。地図の表示と異なる方向に歩いている様だったので30mほど戻ると「立入禁止」や「下山道→」の標識があった。どうやら見逃した様で、危ないところだった!
 次に見逃せないのが下山道と宝永山の分岐下り六合だ。ここで分岐しないと御殿場口五合目に行ってしまう。分岐はおおよそ 2,770m付近であることが判っていたので、高度計を頼りに下りて行くと、ほぼその位置に分岐と標識が確認出来た。
(2012.07.17 10:59 撮影)
富士登山の画像

宝永山~富士宮口新五合目(標高差 298m コースタイム 60分)
 下り六合から宝永山方向に進むと登り坂となり5分ほどで宝永火口の火口縁に出る。その火口縁が尾根の役割をして、御殿場口側はガスで何も見えないけど、火口側はクリアな天気となっている。
 宝永山(標高 2,693m)までは5分位、回りに遮るものが無いので強風の時は飛ばされない様に注意が必要だ。
(2012.07.17 11:13 撮影)
富士登山の画像
 宝永山から火口の上部を見ると、今にも崩れそうな岩が露出している。富士山の岩盤はもろく、大沢崩れだけでなく富士山全体で風雨による浸食が進んでいるとのこと。白い浮遊物は噴煙ではなく、漂っているガスだ。富士山は休火山だけど、今のところ噴火の予兆は無いそうだ。
(2012.07.17 11:13 撮影)
富士登山の画像
 宝永山から分岐まで戻り火口内に下り始めると、第一火口の火口底が見えてくる。登山道はザレ道で本来ならザクザクと気持ちよく下りられるはずだけど、足への負担が大きく膝の痛みが激しくなってきた。
 これだけのスケールのクレーターを歩ける所もそうは無いね。火口底には大きな岩も転がっている、上から落ちてきたのだろう。落石のないことを祈りながら火口底で休憩する。左へ行くと第二・第三火口となる。
(2012.07.17 11:27 撮影)
富士登山の画像
 火口底から富士宮口側の火口縁に上がり、10分ほど歩くと六合目 雲海荘に到着する。ここは富士宮口登山道の六合目となり、新五合目からは最初の山小屋となる。富士登山だけでなく、宝永火口・宝永山トレッキングの際にも寄ることが出来る。500mlのペットボトルは 300円前後だった。持てる余裕があるなら持ってきた方が良いね。
(2012.07.17 12:31 撮影)
富士登山の画像
 午前4時52分から歩き始め、途中休憩しながら12時50分富士宮口新五合目にゴールした。かなりの時間直射日光の中を歩いたためか、口が乾き若干の頭痛がするなど熱中症の症状が出てきた。五合目到着後にポカリを購入し飲み干した。
 機会があれば富士宮口(表口)も登ってみたい。だけど、東京からだと足が悪いんだよね。
(2012.07.17 12:43 撮影)  
富士登山の画像

ラストラン
 新五合目からは富士急静岡バスの登山バスでJR富士宮駅まで下りる。13時30分のバスは大型の観光バスで、乗客は4名だったが3人は地元のオバちゃんだったので、実質的な登山客は1人だ。
新五合目からは三島駅行きもあるけど、2時間乗車でふつうの2扉路線バス。あの車で2時間はきつそうだな~。
 JR富士宮駅からは富士宮と東京駅日本橋口を結ぶヤキソバエクスプレス。乗車したバスは白糸の滝発で、市内数カ所で集客し、富士ICから東名高速に入り東京に向かう。こちらはトイレ付きバスで、乗客は38名だった。途中の渋滞もあり、東京駅には30分近く遅れて着いた。

高山病
 幸いなことに高山病は発症しなかったけど、熱中症に成りかけたみたいだった。あと1時間も歩いていたら・・・

 

GPSロガー
   歩行記録は、「GPSスポーツガイドメイト GP101」(7,000円くらい)を使用。その記録をPCにコピーし「カシミール3D」で地図にトレースする。記録間隔は「5秒ごと」から設定出来るが、登山・歩行時に5秒間隔では短すぎるので10秒間隔にしている。
 バッテリーは、スバルライン五合目から本八合目で電源オフ、翌朝再投入し本八合目から富士宮口五合目まで途切れることなく持った。説明書に交換用バッテリーの説明がなかったので調べたら、ノキアの携帯電話用のものが使える。アマゾンで千円くらいだ。

詳細地図
   GPSロガーのデータを元に、移動状況を地図上に表示した。

 詳細地図はこちら

練習登山
 富士山登山の前に練習登山として、初級の高尾山からピックアップしてみた。

 練習登山はこちら


タイムテーブル(吉田口十合目~剣が峰~富士宮口新五合目)
ポイント標高到着/出発
十合目久須志神社3,710m06:17/06:30
剣が峰 (Top of JAPAN)3,776m07:40/08:20
十合目富士宮口 奥宮3,720m08:30/08:37
御殿場口下山口3,710m08:40/08:40
八合目廃小屋(見晴館)3,400m09:28/--:--
七合九尺赤岩八合館3,300m09:40/09:50
七合目砂走荘3,110m10:12/10:30
下り六合分岐2,770m10:59/--:--
宝永山頂2,698m11:10/11:20
宝永第一火口2,420m11:55/12:10
新六合目雲海荘2,429m12:31/--:--
新五合目富士宮口2,400m12:50/ - - -

■会計監査

交通費
 大江戸線 蔵前~新宿西口260円
 京王高速バス 新宿西口~スバルライン五合目2,600円
 富士急静岡バス
 富士宮口新五合目~JR富士宮駅
1,970円
 ヤキソバエキスプレス
 JR富士宮駅~東京駅日本橋口
2,500円
 大江戸線 新宿西口~蔵前260円
宿泊費
 本八合目 富士山ホテル(一泊二食)7,900円
その他
 おにぎり5個(初日)590円
 あんぱん(5個入)非常食140円
 羊羹240円
 ペットボトル 1500mL 1本168円
 ペットボトル 500mL 2本(ポカリ)176円
 ペットボトル 500mL 1本(ポカリ・新五合目価格)300円
 アミノバイタル(90円×6本)540円
・監査結果
 ペットボトルの「山料金」は堪えるので持って行った。

持ち物

持って行って良かったもの
 カメラ・・・NIKON D3100 一眼レフは重いけど入門用は小型でもそこそこ撮れる
 レインウエア・・・雨は降らなかったけど、早朝の防寒着代わりになった
 小型ライト・・・夜中にトイレへ行ったり、外の空気を吸いに行ったりする時に必要
 アマチュア無線機・・・無線はほとんどしなかったけど、ラジオ・テレビ音声を聞けたので
 ウオークマン・・・暇つぶしに mp3再生機能で音楽鑑賞 携帯電話のLismoでも良いけど電池食う
 あんぱん・・・タンパク質と糖分を摂取するため持って行った。袋入りは腐敗の心配が無くて良い。
 羊羹(ヨウカン)・・・糖分補給が必要だけどチョコレートは溶けやすい!
使わなかったもの
 ヘッドライト・・・行程変更や道に迷い暗くなった時に必要なので必ず持って行く
 イヤーパッド・・・山小屋では周囲の雑音で寝付けない時のあるので持って行った方が良い
 救急用品・・・頭痛薬・胃腸薬・絆創膏・テーピングテープなど 必ず持って行く
持って行った方が良かったもの
 グラサン・・・とにかくまぶしい  日焼け止め・・・とにかく直射日光が暑い
 マスク・・・下山時に砂塵が舞い上がるので必要(持って行ったけど出すのが面倒だった)

■参考としたホームページ

  
富士山ホテル 富士山本八合目(標高 3,400m)
富士山 御来光館 富士山八合五尺(標高 3,450m)
富士登山の前に あっぱれ!富士登山
日の出・日の入りなど 各地のこよみ(国立天文台)
富士急バス時刻 富士急行 富士登山
吉田口でのお泊まりは 富士山吉田口旅館組合
ライブカメラ 八合五尺「御来光館」
登山道の状況 「富士山登山道」の情報(静岡)


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