鉄道模型工作シリーズ 2
京都・洛北を走る
叡山電鉄800形
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■ 実  車
 平成元年(1989年)に京阪電鉄鴨東線が出町柳駅まで延長されると、叡山電鉄の乗客が倍増しました。これに対応するため平成2年に新造されたのがこのデオ800形電車です。デザインはデオ700形を基本としていますが、客ドアは600形以前の3ドアに戻りました。従来車との大きな違いは叡山電鉄初の2両固定連結となったことです。
叡山電鉄800の製作
撮影:2001年4月24日 筆者

 下回りは平行カルダン駆動、電気指令式電磁直通ブレーキ、新製のFS-544台車となり、完全な新造車で登場しました。

 1次車の801+851、802+852は、出町柳側の801・802に2基のパンタグラフが搭載され、鞍馬側の50番台車851・852にMG・CP・バッテリーが積まれています。この2編成は形態的にはほぼ同じですが、前面行き先方向幕の位置や妻窓の構成など相違点も見られます。塗色は同じですが、帯色が第1編成がグリーンとコバルトブルー、第2編成がピンクとコバルトブルーと異なっています。
写真は第1編成の801+851です。

 平成5年には2次車が登場しましたが、こちらは京阪大津線の500形より譲り受けた下回りを使用した1M方式となり、各車にパンタグラフ(下枠交差形)・CP・インバータが搭載されています。番号も10番台に区別され、編成は811+812(帯色は黄緑とコバルトブルー),813+814(同 藤色とコバルトブルー)で、3編成目の815+816は塗装が変わり、環境保護を訴える「エコモーション号」カラーで登場しました。また、1次車は台車がFS-544(軸距離 2100mm)でしたが2次車ではFS-566(同 1900mm)に変更され、車輪も小径車輪( 760mm)となり、床面高さが従来車より低くなりました。パンタの位置・形態で1次車か2次車か判りますが、帯の引き方も2次車は帯間が空いているので違いが判ります。車内配置は各車ほぼ同じですが、813と815には車椅子スペースが設けられました。
 デオ800形は5編成10両で終わり、デオ900形「きらら」に引き継がれています。

■ 模型の製作
 デオ800形の模型化は友人 中村氏との競作となり、私は2個パンタ車が欲しかったので1次車の方を製作し、中村氏が2次車を製作しました。
 製作方法は今までと同じく、ペーパーボディに木製屋根としました。ボディはアサクサモケイ製t0.3mm の車体製作用方眼紙を用い、レイルロード刊「叡山電車形式集」のデオ800形図面から算出した寸法をケガいていきます。客用ドア・乗務員ドアは3mm径のパワーグリップで抜きますが、客窓はR1mm以下の小径で、彫刻刀等でも大きすぎます。そこで、コンパスの針を使う方法を考えました。客窓の四隅にコンパスの針を根本まで打ち、1mm径程度の穴を開け、そこをカッターでつないで切りました。穴の位置が少しずれたりして穴開け直後は窓の変形が気になりましたが、工作中にサンドペーパーなどで整形しました。

 下回りは軸距離2100mm、車輪径 860mmで軸距離26mm、車輪径10.5mmのエンドウ製トラクションモーター26がピタリ、台車は日光モデル製のFS-518がクリソツなのでそのまま使いました。2次車は軸距離・車輪径が小さく1次車と若干異なります。カプラーは先頭部にエンドウ製ダミーカプラーを、連結部にはエコー製ドローバーを取り付けました。

 塗装は下地処理の後、自己調色したクリームを塗りました。模型は801+851のつもりでいましたが、この編成は妻面の窓が無く貫通路を挟んで片側に窓があるのが802+852の編成であることがわかり、乾燥後この編成に該当する青帯とピンク帯を入れました。(使用した図面が802編成のものでした)

 屋根上は手持ちのクーラーを、パンタはカワイ製を802号車に2台、さらに紙片から切り出した列車無線アンテナを取り付けました。屋上配管は不明なため省略しましたが、実車を検分し取り付けたいところです。2月の「関東合運」(「RM Models」「TMS」 2001年5月号などをご覧下さい)では取材を受け、TMS誌に小さな写真ながらも掲載されました。本当はパンタ回りを整備してからが良かったんですが・・・。  光り物は、ヘッドとテールにLEDを、室内灯に485系から取り外した12V球を1両当たり2個取り付けました。

 追記 2001年4月24日に叡山電鉄を訪れ、屋根上などを観察してきました。現在、パンタ周りを製作中です。完成し次第写真をUPしたいと思います。

叡山電鉄800の製作

叡電700形・800形室内灯はこちら

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