筑 波 山

つくば道 ~ 筑波山頂

= 2013.11.18 (月)

Back gif
「つくば道」の存在を知ったのは実は今から30年ほど前のことだ。
当時、常磐線の土浦駅と水戸線の岩瀬を結ぶ筑波鉄道が廃止になると言うので沿線を訪れた時、「古い町並みがある」という常陸北条駅(ひたちほうじょう)で降り、鉄道や街を撮影していると「つくば道」という道標が目に入った。
近くにあった説明板を見ると、この道が筑波山神社の表参道で、江戸から北条町を通り筑波山参詣をしていたとのことだった。 北条町から筑波山頂までゆっくり歩いて3~4時間、1回は歩いてみようと思っていたけど・・・すっかり忘れていた。

 月日が経ち、山歩きのHPを見ていると久しぶりにつくば道の名前が目に止まった。つくば道は今は環境省が設定した首都圏自然歩道と国土交通省が選定した日本の道百選にあげられている。
 つくば道の情報を集めていると、北条の中心部仲町にある「つくば道道標」をスタートとするのが良さそうなので、つくばエクスプレス と つくば市内のコミュニティーバスつくバス(北部シャトル)を乗り継いで筑波交流センターまで行き、そこからつくば道を歩くことにする。
 筑波鉄道が有る時代は、常磐線の土浦乗り換えで行くのが定石だった。廃止後は路線バスが走っているが1時間に1本程度と使いやすいわけではない。
 浅草6時10分の快速つくば行きに乗ると、6時50分につくばに到着する。つくば駅地上のバスターミナルつくばセンターからは北条方面に2系統のつくバスがあり、北条に早く着ける北部シャトルを使うことにした。


 2005年8月に秋葉原駅~つくば駅間を開業したつくばエクスプレス(首都圏新都市鉄道)は、浅草駅からつくば駅まで最速40分で結んでいる。5時台に快速区間快速は無く、浅草発6時10分が最初の快速だ。
 つくば駅は道路下の地下駅となっていて、地上のつくばセンターバスターミナルからは、筑波山神社まで直行便つくばシャトルのほか各地へバスが出ている。
つくば道から筑波山
最速列車快速を選択

 北条へはつくば市内を走るコミュニティーバスつくバスの「北部シャトル」を利用する。
 この路線はセンターから国道を通り筑波山口(旧筑波鉄道の筑波駅)を結び、筑波交流センターまで30分で結ぶ。途中4カ所しか止まらないのでコミュニティーバスとしては大変早い。
交流センターからつくば道のスタート北条仲町までは歩いて10分ほどなので便利なバスだ。= 標高 約15m
つくば道から筑波山
筑波交流センターは旧筑波町役場

浅草06:10つくばExp.
快速つくば行
つくば06:50
06:55つくバス
北部シャトル
筑波交流センター07:26

 交流センターから仲町の間での旧筑波鉄道の廃線跡を横断する。現在はサイクリングロードりんりんロードとして舗装・整備されている。近くに常陸北条駅跡もあるはずだが、位置が良く判らないのでスルーした。
そういえば、つくバスも「自転車ラックバス」なるものを運行していて、無料で自転車を運んでくれる。= 標高 約16m
つくば道から筑波山

 北条仲町商店街の中心部につくば道のスタートを示す道標があった。朝早いので商店は開いていなかったけど、帰りに通った時にも・・・。
 道標の近くには、つくバス「小田シャトル」の停留所が有るけど、こちらは小田の集落を細かく回ってから北条に来るので1時間近く掛かる。= 標高 約19m
つくば道から筑波山

 スタートしてから20分ほどのところに立派な山道を持った普門寺(ふもんじ)がある。
 鎌倉時代末期の創建と伝えられ、室町から戦国時代には茨城南部を治めていた小田氏の北の祈願寺だった。
 山門までお邪魔しようと思ったけど結構奥なので辞めた。境内の休憩所やトイレは拝借出来るそうだ。= 標高 約36m
つくば道から筑波山

 普門寺辺りから続く古い町並みは点滅信号機のある神郡十字路(地図参照)で途切れるが、その直前に旧桜井邸の店蔵がある。かつては店・質屋・隠居に使われていて、平成16年(2004年)からは筑波大学安藤教授が建築研究所として利用している。
 戦争・地震・自然災害に遭わないとこれだけの建物が残るんだね。= 標高 約25m
つくば道から筑波山

 十字路の脇に立つのが米倉石倉RIZ(リズ)
 この建物は1952年(昭和27年)建築と街並みのなかでは新しい。(と言っても60年は経っている)
 蔵の横には案内地図とパンフレットが置かれており、小休憩も出来る。= 標高 約28m
つくば道から筑波山

 十字路を過ぎると 400mばかり田んぼの中を歩く。
 この付近には奈良時代の条里制の水田跡や古墳が多く有った様だが、戦後の区画整備などによりそのほとんどが失われてしまったとか。
 つくば道より東に 300mくらいの金堀塚は、前方後円墳で石室も見えるそうだ。寄りたかった~= 標高 約23m
つくば道から筑波山

 田んぼの切れる辺りから坂が始まり筑波山を登り始めることになる。
 80mほど登った標高 110mのところに、最初の鳥居石鳥居がある。
「六本松の一の鳥居」とも呼ばれ、これより上は石段が続いていたそうな。昭和40年代に石段は取り払われ道路となり車両もあがれることとなった。= 標高 約110m
つくば道から筑波山

 北条から予定どおり1時間30分で筑波山神社に到着。
一体にはホテル・土産物店・食堂が立ち、オバちゃん達が乗用車を自分の店の駐車場に入れようと躍起になっている。
 鳥居をくぐり参道に入ると、早くも出ました筑波山名物ガマの油。土産物店の店先に置いてあるので口上などは聞くことが出来ない。テープでも流しておけが良いのに!= 標高 約245m
つくば道から筑波山

 土産物店を過ぎて最初に目にはいるのが御神橋。寛永10年(1633年)の造立とされているけど、この建物が・・・。
 通常は閉鎖されていて春(4月1日)と秋(11月1日)の御座替祭の時だけ、参拝客の通行が出来る。= 標高 約245m
つくば道から筑波山

 御神橋から石段を上がると山門随神門(ずいしんもん)が目に入る
 江戸時代には仁王門だったそうだが2度の火災に遭い、現在の門は文化8年(1811年)建立のものだ。
 茨城県内で最大規模の八脚楼門で、市指定文化財となっている。
奥に石段と拝殿がチラっと見える。= 標高 約253m
つくば道から筑波山

 石段を上がると拝殿に突き当たる。
 拝殿より山上の境内地「筑波山」を御神体として拝する。
 現在の拝殿は、明治8年(1875年)に造営された。
 TVの旅番組で何度か見ていたけど、こんなに立派な拝殿だとは思わなかった。次回はじっくりと拝みに行きたい。> 標高 約260m
つくば道から筑波山

筑波交流センター07:26ト ホ
踏切跡07:37
07:37
北条仲町(つくば道道標)07:42
07:45
神郡十字路(30m)08:10
08:15
石鳥居(115m)08:37
08:40
筑波山神社(260m)09:00

このページのTopへ


筑波山神社 から 男体山頂へ

 拝殿の左手には社務所があり、さらに進み階段を上がったところでケーブルカー宮脇駅と登山道とが分かれる。
 ケーブルカーなら筑波山頂駅まで8分、登山道だと1時間半の道のりだ。
 ケーブルカーは、大正14年10月開業、戦中の休止期間を経て昭和29年11月3日に営業復活した。
 この日の営業は、16時30分まで。時間が過ぎたら自分の足で降りなければ成らないヨ。
1時間の道程だけど、暗くなったら懐中電灯やヘッドライトが必要だ。= 標高 約290m
つくば道から筑波山

 登山道は頂上まで林の中を歩くので残念ながら展望は効かない。ケーブルカーの中間交換所で登山道からケーブルカーが見える様に成っているけど、その他の場所ではケーブルカーさえも見えない。ただし、ケーブルカーが近づくとケーブルの滑車の回る音が聞こえるので「近くを動いているな」というのは判る。
 登山道には案内板が整備されているので迷うことはまず無い。心配な方は 1/25000 地形図をお持ちになった方が。
つくば道から筑波山

 「登山道は整備されている」と言われている割には岩がゴロゴロのところも多い。場所によっては木製階段の真ん中に大きな落石のあるところも。重量も有りそうなので退かせそうもありません。このまま置きっぱなしでしょうか!
つくば道から筑波山

 拝殿から1時間半ほどで筑波山頂駅に着きやっと展望が開ける。
 ここは筑波山の双峰男体山女体山の間の馬の背的なところで御幸ケ原とも呼ばれていて、ホントの山頂へはまだ15~20分登らなければならない。
 ベンチも有るので昼食にしようと思ったけど、男体山頂までもう少し我慢することにしよう。
画像は女体山向けに撮ったものだが、巨大アンテナが列を成して立っている。= 標高 約795m
つくば道から筑波山

 大型トイレの横から「男体山」の道標に沿って10分ほど登ると男体山頂に着く。山頂には小さな本殿と社務所があり、神官が一人で参拝者の対応をしていた。
 御祭神は、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)。
 「ここで昼食」と思ったけど、山頂は意外と狭く、また団体のオバはんが続々と登ってくるので昼食は諦め下ることにした。= 標高 約870m
つくば道から筑波山

筑波山神社(260m)09:12ト ホ
山頂駅脇(着替え)
(795m)
10:44
10:49ト ホ
山頂駅(800m)10:51
10:52
男体山山頂(881m)11:02

このページのTopへ


男体山頂 から 北条へ

 男体山から下り、御幸ケ原のベンチで昼食とした。御幸ケ原は男体山と女体山に挟まれたいわゆる馬の背で、ケーブル駅、広場のほか土産物店・食堂が連なっている。
 食料は、地元の西友で朝食・昼食・ノンアルコールビールなどなど仕入れていたので、食堂のお世話には成らなかった。
山のお約束「ピンバッジ」は1ケ買いました。= 標高 約795m
つくば道から筑波山

 筑波山、女体山のある東側には奇岩が多い、御幸ヶ原から女体山に至る登山道にはガマ石が鎮座している。
 筑波山と言えば「ガマ」。この岩のどこがガマだと言われても・・・。= 標高 約840m 
つくば道から筑波山

 御幸ヶ原から20分で女体山に到着。
 御祭神は、伊弉冉尊(いざなみのみこと)
 本殿横にはここにも御神橋が、空中の橋だ。反対側は崖なので残念ながら全体の画像は写せない。
 シャッターを切った時に人は居なかったけど、狭い女体山山頂の本殿付近は人人人で埋まっている。月曜日でこうなのだから、日曜休日はどうなるのだろうか!= 標高 約872m
つくば道から筑波山

 この日は朝から霧というか靄がかかっていて、山頂にいても展望が全く効かない。
 女体山からは先ほど登った男体山と弁当を食べた御幸が原がようやく見えるだけだった。天気は良かったのに・・・。
 真ん中辺の緑色っぽい建物がケーブルカーの山頂駅。後ろが男体山で、山頂駅とは言っても、ホントの山頂まではこれくらい登る。= 標高 約877m 
つくば道から筑波山

 女体山から下っていると、またまた出ました奇岩だ。
 これは出船入船
「元来「熊野の鳥居石」といわれ船玉神を祀り、石の姿が出船と入船とに並んでいる様に見えるところから命名」だそうだ。 
つくば道から筑波山

 つぎ!
弁慶七戻り
「古来「石門」といい、聖と俗を分ける門。頭上の岩が落ちそうで弁慶も七戻りしたと言われている」そうだ。
弁慶来たのかね ここまで!! 
つくば道から筑波山

 白蛇弁天
 ヘビが出てくると嫌なので通過した。 = 標高 約710m
つくば道から筑波山

 「紅葉真っ盛り!」との報道を見てやって来た筑波山だが、写真に残る様な紅葉にはお目に掛かれなかった。
 最後に戻って来た筑波山神社境内の銀杏の木が一番綺麗だったよ!
 左手が朝通った随神門で、その向こう側にも同じ大きさの銀杏が茂ってる。

 さあ、筑波山神社まで戻って来た。ここからつくばセンター(つくば駅)直行のつくばシャトルに乗る計画だったが、どうしても旧筑波鉄道の常陸北条駅跡が気になる。隣の駅だった筑波駅跡は路線バスの筑波山口として駅舎は利用されているし、ホームとも残っている。
 と言うことで、来た道を北条まで戻ることにした。

つくば道から筑波山

 下りはほぼ1時間で常陸北条駅跡まで歩けた。旧筑波鉄道は気動車で低いホームのために車両にステップが付いていたけど、ホームはそれ以上に低い位置だったことを思い出した。
 ホームの石積みは綺麗に残っていたが、ホーム上には木が茂っていた。廃線後に植えたのだろうか。営業中だとぶつかる!
 遠くに本屋側ホーム跡も少し見えるが、駅舎のあったと思われる位置には住宅が建っている。
つくば道から筑波山

 駅跡でのんびりし過ぎたのか、交流センターに着いたのはバス発車の3分前だった。まあ、バスはだいたい遅れてくるものだから・・・と思っていたら、時間通りに来て、時間通りに発車した。危ないところだった!
 つくば駅での接続は・・・、バスの中でネットを確認すると、渋滞などせずにつくば駅に着けば20分の待ち合わせで 快速 に乗れるはずだ。

 バスはつくば市内を快調に走り、つくば駅に定時到着した。
 トイレを済まし、売店で菓子を購入、ホームに降りクロスシートのある4号車入口で待つ。列車が到着し降車客が済んだところで乗車。クロスシートに座れました。良かった、良かった!
快速より停車駅の多い区間快速でも乗車時間は7~8分しか違わないんだけど、快速だと得した気に成るな。
 開通当時は、平日の昼間につくば駅から乗るとガラガラだったんだけど、この日はほぼ座席が埋まる位だった。次の停車駅守谷からはそこそこの乗客があり、立ち客も見られた。ずいぶんとお客さん増えましたね。


つくば道から筑波山
地 図

全体地図はこちら

男体山山頂(881m)11:09ト ホ
御幸ケ原(795m)
(昼食)
11:22
11:34
女体山山頂(878m)
(小休憩)
11:49
12:10
弁慶茶屋跡(710m)12:39
12:41
白蛇弁天13:18
13:20
筑波山神社13:31
13:45
常陸北条駅跡14:47
14:50
筑波交流センター15:02
15:05つくバス
北部シャトル
つくば駅15:36
15:55つくばExp.
快速秋葉原行
浅 草16:35

参考ホームページ
つくばエクスプレス
筑波山神社筑波山観光鉄道
筑波山梅まつりつくバス

このページのTopへ

Back gif



Copylight(C)2016, Asakusamokei, All Rights Reserved.