~ 2 日 目 ~ 2011年7月25日(月)
■ご来光はいかが
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午前4、携帯電話のアラームに起こされる。もちろんバイブで設定していたけど、すでに起きている人もいるし、アラームがピポパポ鳴り出す人もいる。
非常口から外の様子を見ると空がうっすらと明るくなってきているので、急いで衣服を着て小屋前に出る。この時、午前4時18分、気温は8℃。
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より一層空が明くるく成ってきたけど雲が多い。南(右方向)から次々と大きな雲の固まりが流れてくる。日の出時刻を過ぎ4時50分に成っても出てくる気配はない。 近くのオヤジがホテルの従業員に「あまり良いご来光じゃないですね」と言うと、「そんな綺麗な日の出はなかなか無いですよ。ここまで登ってきて見られないで帰るお客さんも結構居ますから」と。
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キタ~!
午前4時55分、厚い雲の上に太陽が顔を出した。神々しいとはこのことか
日の出と言っても普段は気にすることもなく、銚子・犬吠埼や品川神社で拝んだ初日の出くらいだろうか。しかし、富士山での日の出-ご来光は違うね。
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■山頂へ
▲ 本八合目~九合目(標高差 300m コースタイム 95分) |
ご来光を拝んでから、山頂へ向かい5時10分スタート。
ホテルから少し登った所で大勢の下山者が下っていくのを目撃。頂上で御来光を拝んで帰るのであろう。せっかく登ったんだからもっとゆっくりすれば良いのにね。まだ5時21分だよ。 調べてみると、関西・四国からバスで来るツアーの中には、ご来光を拝むとすぐに下山するコースがあるんだ。
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八合五勺の御来光館にてポカリを購入。隣の窓を見ると三脚に据え付けられたビデオカメラが。おお、これがあのライブカメラか! いつも見させていただいてます。 この頃からか、目指す山頂の白い鳥居や小屋が見える様になる。がいくら登っても一向に近付かない。 山小屋を出た時は風が強いこともあり寒く防寒着を着ていてちょうど良かったが、太陽が上がるにつれて暖かくなってきた。風も収まってきたみたいだ。 それにしても空の色が綺麗だ。
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一帯は岩が多くなり、登山道で休んでいる人や寝てる人、倒れている人もあり(ヤバイ病状じゃないと思う・・・)、登りにくくなる。「酸素缶」を吸ってる人もいるけど、効果はどうなんでしょう。登山道を外れると落石を誘発しかねないので、皆登山道で転がっているんだね。 もうすぐ頂上だというのに空気が薄くなってるのか足も進まない。10分ごとに休みながら徐々に高度を上げていった。
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ついに登頂!! |
7時55分、ついに登頂した。
吉田・須走口山頂には、静岡県富士宮市にある「富士山本宮浅間大社」の奥宮「久須志神社(くすしじんじゃ)」が鎮座する。
山頂と言うけど、本当の頂上「剣が峰」(3776m)は噴火口を挟んだ反対側だ。ホテルでいただいた朝食を食べてから向かうとしよう。
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タイムテーブル(本八合目~吉田口十合目)
ポイント | 標高 | 到着/出発 |
富士山ホテル | 3,350m | --:--/05:10 |
本八合目上江戸屋 本八合目トモエ館 | 3,370m | 05:19/05:21 |
八合五勺御来光館 | 3,450m | 05:35/05:36 |
九合目(鳥居) | 3,580m | 05:56/06:05 |
吉田口十合目 | 3,710m | 06:40/07:00 |
■お鉢めぐり |
富士山頂には大内院(噴火口)を囲むようにして富士八峰と呼ばれる八つの峰があり、それぞれに神仏が祀られ、それらを参拝して巡ったのがお鉢めぐりの始まりだとされている。
お鉢とは、山頂の八つの峰をお釈迦様が座す蓮花 八葉蓮華にたとえ、その八からお八めぐりと呼ばれ、のちに八が鉢となった。
明治時代以前には仏教に因んだ山名で呼ばれていたが、明治以降の神仏分離政策で仏教色の濃い山名が改称された。朝日岳だけは山名が定着せず、現在も大日岳(大日如来)と呼ばれることが多い。
大内院は、直径 約780m、深さ 約237m(国土地理院)で、一周するには1時間半から2時間かかる。
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山名 | 旧山名 | 標高 | 由来する神仏 |
三島岳 | 文殊ヶ岳 | 3740m | 宝生如来・三島大明神 |
剣ヶ峰 | | 3776m | 阿弥陀如来・熊野三大権現 |
白山岳 | 釈迦ヶ岳 | 3756m | 釈迦牟尼如来・白山妙理大権現 |
久須志岳 | 薬師ヶ岳 | 3730m | 薬師如来・鹿島金山大権現 |
朝日岳 | 大日岳 | 3740m | 大日如来 |
伊豆ヶ岳 | 観音岳 阿弥陀岳 | 3746m | 観世音大菩薩・伊豆大権現 |
駒ケ岳 | 浅間ヶ岳 | 3,722m | 文殊大菩薩・箱根大権現 |
成就ヶ岳 | 勢至ヶ岳・経ヶ岳 | 3735m | 不空成就岳 |
呼称・神仏については資料によっていろいろあります
観測所直下の階段
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富士山頂は二等三角点
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観測施設だが下層は展望台として解放
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展望台からの景色
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◆剣が峰~須走口頂上(標高差 66m コースタイム 45分) |
剣が峰からは山頂の西側~北側を回って下山道に向かう。
剣が峰を下りた辺りが富士山西側に大きな谷を作る 大沢崩れ の上の部分。温暖化が影響しているかは判らないけど、富士山内部の永久凍土が溶けて崩壊が早まっているという話も。途中には、山頂の第2火口とも言える小内院を見ることが出来る。
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大内院(噴火口)と剣が峰
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トラロープが張ってあるが怖くて近づけない
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崩壊の激しい部分
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小内院(第二火口)と残雪
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■下山
▼吉田・須走口頂上~八合目(下山道分岐)(標高差 440m コースタイム 50分)
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山頂周回を満喫し、9時20分下山へ。
吉田・須走口下山道は、八合目(下山道分岐)までは同じ道を下る。この道は、五合目から物資を運搬するブルドーザが通行するつづら折りの道で「ブル道」と呼ばれ、吉田口の場合は六合目付近までブル道を下ることになる。
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下山途中何回かブルドーザと行き違った。どこからともなくエンジン音がするので目をこらすと、下の方から黄色いブルドーザが砂塵を巻き上げながら上がってくるのが見えた。そのまま降りていくとすれ違いの際に砂塵をもろに浴びかねないので、カーブの風上側で通過を待った。こうやって運んでるんだから、ペットボトルが1本 500円でもしょうがないかな。
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▼八合目(下山道分岐)~六合目(標高差 880m コースタイム 2時間10分)
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山頂からの下山道は、八合目で吉田口(スバルライン口)と須走口とに分かれるが、どのガイドブックを見てもここの分岐点についてしつこいほど書いている。確かに、分岐を間違えて降りると違った五合目に着いてしまうので注意しなければならない。 これほどに書かれていると言うことは、間違えて下山してしまう人もそこそこ居るんだろう。須走口新五合目からスバルライン口五合目までタクシーで2万円位掛かるそうなんで、公共交通機関はもちろんマイカーの時はくれぐれも間違えないように! 今回吉田口に降りる私はここで左方向にハンドルを切り江戸屋の前をとおり下り続けた。
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下山道には何カ所かシェルターがある。落石多発地帯に造られていて「こっちを通れ」と書いてあるが誰も通らない。中は階段状になっており、疲れた足に来るんだよね、これが。
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▼六合目~スバルライン五合目(標高差 85m コースタイム 60分)
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六合目の「安全指導センター」からスバルライン五合目までは登山道と同じ道を下る。15分ほど下ると泉ケ滝で幅の広い林道滝沢線に入りだらだらとした上り坂を上がる。最後の最後に登りかよ・・・。 途中でこれから登山に向かうツアーとすれ違い、ちょっと広い場所ではガイドが説明するシーンを見かけた。
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大きなレストハウスが見えたら富士登山もここまで。レストハウス脇の小御岳神社(*) に参拝して、12時50分、富士スバルライン五合目の駐車場に到着。下山所要時間は3時間30分でした。ご苦労様でした。
*小御岳神社 ・・・ 御祭神は磐長姫命(いわながひめのみこと) 承平7年(937年)創建
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●ラストラン
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スバルライン五合目からの高速バスは、20名ほどの登山者を乗せ一路新宿へ。途中で若干渋滞しながらも、ほぼ時間通りに新宿に着いた。ラッシュ前の新宿地下を通り抜け、大江戸線新宿西口駅から乗車し帰宅したのは17時過ぎでした。
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●高山病
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出発前に心配した「高山病」だが、頭痛・吐き気など全く発症しなかった。登山道では酸素缶を吸いながら「頭痛エ~!」と倒れ込んでいる人も見かけた。昔どこかの山小屋でビールを飲んだ後に体調を崩したことがあり、標高の高い山での飲酒は避ける様にしていて、今回も食事前に飲んでいる人を横目に我慢した。
また、休憩の度に大きな深呼吸をする様に努めたが、山頂で思いっきり息を吸い込んだ時には一瞬「くらっ」とするので注意が必要だ。空気薄いんだね!
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●練習登山
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富士山登山の前に練習登山として、初級の高尾山からピックアップしてみた。 練習登山はこちら
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タイムテーブル(吉田口十合目~剣が峰~スバルライン五合目)
ポイント | 標高 | 到着/出発 |
吉田口十合目 | 3,710m | 06:40/07:00 |
富士宮口十合目 | 3,730m | 07:35/07:40 |
剣が峰 (Top of JAPAN) | 3,776m | 07:55/08:25 |
吉田・須走口下山口 | 3,710m | 08:55/09:20 |
八合目(江戸屋分岐) | 3,270m | 10:05/10:15 |
六合目指導センター | 2,390m | 12:08/12:15 |
スバルライン五合目 | 2,305m | 12:50/ - - - |
■会計監査
交通費 |
大江戸線 蔵前~新宿西口 | 260円 |
小田急電鉄 新宿~新松田 | 750円 |
富士急バス 新松田~須走口五合目 | 2,000円 |
京王バス スバルライン五合目~新宿 | 2,600円 |
大江戸線 新宿西口~蔵前 | 260円 |
宿泊費 |
本八合目 富士山ホテル(一泊二食) | 8,400円 |
その他 |
おにぎり5個(初日) | 590円 |
あんぱん(5個入)非常食 | 140円 |
羊羹 | 240円 |
ペットボトル 500mL 2本 | 196円 |
ペットボトル 500mL 3本(山小屋) | 1,500円 |
アミノバイタル(90円×6本) | 540円 |
■持ち物
持って行って良かったもの |
カメラ・・・NIKON D3100 一眼レフは重いけど入門用は小型でもそこそこ撮れる
レインウエア・・・山の天気は急変する。防寒着代わりにもなる
小型ライト・・・夜中にトイレへ行ったり、外の空気を吸いに行ったりする時に必要
日焼け止め・・・とにかく直射日光が暑い!
マスク・・・下山時に砂塵が舞い上がるので必要
アマチュア無線機・・・無線はほとんどしなかったけど、ラジオ・テレビ音声を聞けたので
ウオークマン・・・暇つぶしに mp3再生機能で音楽鑑賞 携帯電話のLismoでも良いけど電池食う
あんぱん・・・タンパク質と糖分を摂取するため持って行った。袋入りは腐敗の心配が無くて良い。
羊羹(ヨウカン)・・・糖分補給が必要だけどチョコレートは溶けやすい!
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使わなかったもの |
ヘッドライト・・・行程変更や道に迷い暗くなった時に必要なので必ず持って行く
イヤーパッド・・・山小屋では周囲の雑音で寝付けない時のあるので持って行った方が良い
救急用品・・・頭痛薬・胃腸薬・絆創膏・テーピングテープなど 必ず持って行く
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持って行った方が良かったもの |
グラサン・・・とにかくまぶしい
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■参考としたホームページ
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