ルガノとベリンツォーナ

世界遺産 ベリンツォーナ旧市街にある3つの城、城壁と要塞
Back gif
ルガノとベリンツォーナ
  スイス・ティチーノ地方はイタリア語を公用語とした「スイスの中のイタリア」。温暖な気候をはじめ、平らな石を積み上げた家、白壁の家、アカシアなどの木々がそれを証明しています。  ゴットハルド・トンネルを抜けて南下した私は、ルガノ湖畔のルガノに宿を取り、マッジョレー湖畔のリゾート地ロカルノ、チティーノ州の州都ベリンツォーナ、そして最後にルガノを巡りました。

ロカルノに失望
  ルガノの駅前のホテルにチェックイン後、ロカルノに向かいました。ロカルノは温暖な気候と明るい陽ざしに恵まれた南欧特有のリゾート地で、国鉄ロカルノ駅から国境を越えイタリアのドモドソーラ(Domodossola) へ向かうFART鉄道が街中をゴロゴロ走っているはずです。ルガノから30分ほどルツェルンに戻ったベリンツォーナ(BELLINZONA)で支線に乗り換え、20分ほどでロカルノに到着です。列車を降り駅前に立ちましたが路上を走る鉄道のようなものは見えません。駅周辺を回りましたが駅も線路もありません。国鉄駅に戻り看板を見ると、駅の裏にFARTがあることになっています。案内板に沿って行くと何と地下に駅があったのです。どうやら数年前にロカルノ市内の一部区間を地下化にしたようで、街中走行写真はあえなくオジャンとなりました。
 ロカルノ市内には10世紀創建のビスコンティ家の城館だったビスコンティ城(Castello Visconti)があり、南欧風の道を10分ほど歩いて行きましたが何と休館日。それではと、市内を見降ろす裏山中腹にあるマドンナ・デル・サッソ(Madonna del Sasso)へ向かうケーブルカー乗り場に回りましたが、これも運休中。
 気落ちしながら列車内でガイドブックを見ていると、乗り換え駅のベリンツォーナが古い城塞の町で、駅の近くから城壁に登れるとあり寄ってみることにしました。

FART(ティチーノ州地方鉄道)
 全長52.2km、軌間 1,000mm、最小半径55m、電圧DC1200V、最急勾配61パーミルでラック区間はない。スイス国内はFARTだが、イタリア国内に入るとSSIFという会社になる。ロカルノ市内の地下化は1990年前後に行われ、国鉄接続駅と市内の2駅が地下化された。全線にわたりスイスパスが有効。
ベリンツォーナの城塞
  列車がベリンツォーナ駅に近づくと城塞が見え始め、ルツェルンからの列車でも城塞が気に止まっていたのを思い出しました。駅を出てホテルの並ぶメインストリートを行くと約10分でルネッサンス様式の市庁舎(Municipio)のあるPiazza Nosetto広場に着きます。表通りの近代的な建物にくらべ、裏道は昔ながらの町並みですが、それまでスイスで見てきたものとは違いどこかイタリア的な雰囲気を感じます。これは後のルガノ市内でも感じたところです。

 市庁舎から路地を少し行ったところに大きな城塞カステル・グランデ(Castel Grande)への登り口がありました。城塞自体はそんなに高くないのですが、さすがにアルプスの南側で日射が強く、また13世紀に建設されたとあって道が悪く汗をかいてしまいました。市庁舎から10分程度で街が見渡せる頂上(といっても30mくらい)に到着、しばらく景色を楽しみました。

 頂上には塔が2つあり中ではカフェが営業されています。カフェの前に人だかりがあるのでのぞいてみると、何とそこにはエレベーターが このエレベーターは無料で、降りてみると駅から続くメインストリート横の広場へ 駅から「Castel」の案内板に沿って行けば5分ほどでエレベーター乗り場に着いたのでした。ずいぶん遠回りをしましたが、ベリンツフォーナの街を見られたと言うことで納得しました。

ハイソなリゾート ルガノ
  ルガノはスイスとイタリアにまたがるルガノ湖畔に位置するティチーノ州でいちばん大きな街で、高台にあるルガノ駅と湖畔の中心部はケーブルカーで結ばれています。
 ベリンツォーナからの列車を降り駅を出てケーブルカーを探すけれど、ケーブルカーが見あたらずウロウロしてしまいました。駅前の看板を見るとケーブルカー乗り場は国鉄のイタリア方面のホーム上にあり、駅舎に入り乗り場に行くとホーム食い込むようにありました。ここのケーブルカーもスイスパスが有効で、改札のオヤジに見せるだけでOK。料金は大人も子供も 0.6SF(約478円)、ついでに大きな荷物と大きな犬も 0.6SF取られるようです。運転時間は早朝5時20分から深夜23時50分まで、おおよそ5分間隔でルガノの足になっているようです。

 さて、ケーブルカーは30人乗り程度の小型のもので、私が乗ったときお客はたったの2でした人。ケーブルカーに乗務員は乗らず駅の操作で自動的にドアが閉まるとすぐに発車しました。ケーブルカーは家の立ち並ぶ間を進み、中間で登ってくる車両と行き違いましたが、上りの方は満員の様子でした。およそ3分で湖畔のシッタ駅(Citta)に着きますが、この乗車時間で50円は高いか安いか難しいところです。シッタ駅を出たところでカバンのカメラの重さが気になり、いったんホテルに戻りカメラを置くためシッタ駅に戻りました。駅には登りの乗客が待っていて、下りとは客数がずいぶん違います。

 ホテルにカメラを置き、再び市街へ戻るのに今度はケーブルカーを使わずに坂道を降りてみました。列車が着いたばかりだったこともありますが坂道は下る人が多く、どうやら下りは歩き、登りはケーブルカーという人が多いようです。坂の途中には聖ロレンツォ教会(San Lorenzo) という様式のよく判らない教会がありましたが、ミサ中ということで入れませんでした。坂を下りきり市庁舎のあるリフォルマ広場(Pza. delle Riforma)まで来ると街の中心。道路をはさんで湖岸を見ても海水浴(湖だから湖水浴ですか!)のシーズンではないので人影は見えませんが、広場のカフェや周辺は観光客風の人でたいへん混雑しています。聖ロッコ教会(San Rocco) から聖アントニオ教会(Sant'Antonio)を回りシッテ駅近くのピッツァリア(ピザ中心のレストラン)でビールとピッツァ・ナポリターナ(ナポリ風ピザ=アンチョビ・ピザ)をいただきました。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、こちらのピザはパンの部分が薄く何か物足りない気もしますが、たっぷりとしたチーズがお腹を満足させてくれました。
 食事の後、しばらく市街地をうろつきケーブルカーでホテルに戻りました。

旅行期間 1994年9月26日

本HP上のデータは、1994年のものです。

Back gif


Copylight(C) 1998, Hajime Osawa, All Rights Reserved.