トランジットモールのある街ジュネーブ/ゲント

トランジットモールのある街

ジュネーブ/ゲント

トランジットモールって？

　　トランジットモールは、街の中心部や繁華街で見られる歩行者天国の様な もの。欧米の街の中には、郊外に出現した大型ショッピングセンターにより、中心部の繁華街が衰退してしまう現象が見られるようになりました。そこで、衰退の見られる街中心部や繁華街の再生のために、一定範囲内への自動車の乗り入れを禁止し、路面電車やＬＲＴ、バス等の公共交通機関のみを取り入れ、来街者を増加させ、繁華街を再生・興隆することを目的とした トランジットモール が取り入れられました。
　一般自動車の乗り入れ禁止が繁華街の再生に繋がるか疑問を持たれるでしょうが、トランジットモールを導入した欧米の街では、歩行者が安心して歩けるようになる ことが繁華街のイメージアップをもたらし、来街者を増加させたというレポートが多く見られます
　また、繁華街から離れたところに大規模な駐車場を設け、前出の公共機関により繁華街へ買い物客を輸送する パーク・アンド・ライド を併せて取り入れ、トランジットモールの効果をさらに上げている街もあります。
　日本の地方都市に置いても、中心部の空洞化が大きな問題となっていてトランジットモール導入の研究を始めた都市もあるようです。

　そこで今回は、過去に訪れたジュネーブ（スイス）とゲント（ベルギー）のトランジットモールを見てみます。

ジュネーブは

　　ジュネーブの繁華街は、国鉄駅から15分程度歩いた所にあります。駅前からトロリーバスに乗れば５分ほどですが、途中の川辺から眺める街並やレ・マン湖も素晴らしく、ちょっとした散歩道になります。
　旧市街でにぎやかなのは Rue de Marche （マルシェ通り）で、この通りにはトラムが走っており トランジットモール となっています。　

　　Rue de Marche を歩いていると、前方からトラムと同じカラーリングのトロリーバスが走ってきました。上空をよく見ると、トラムの架線の横にトロバスの架線が２本張られているのが見えました。
　

ゲントは

　　ゲントはベルギーの首都　ブリュッセルから80kmほど西へ行った街です。英国とフランス・ベルギーを結ぶユーロスターが開通した現在ではこちらに主導権を取られてしまっていますが、それ以前は、英国～ベルギー～ドイツを結ぶ重要な幹線の上に位置していました。
　ゲント駅を降りると、目の前にトラムの停留所があります。この停留場はループ状になっていて、右奥から駅前広場を回ってきたトラムが写真の手前で停止し、降車客を降ろし写真の位置で乗客を待ちます。　

　　トラムは駅前停留場を出発すると、駅前広場を回り写真左手に向かいます。ゲント駅前はトランジットモールにはなっておらず、タクシーやバスが横切る、ごく一般的な雰囲気です。　

　駅から５分も走るとトラムは単線となりトランジットモールに入りますが、ここは道路が狭まく複線で線路が敷けないので１本裏の通りに駅方面の線路が敷かれています。　