STRASBOURG ストラスブールを歩く

ストラスブールを歩く

世界遺産ストラスブール旧市街

パリからストラスブールへ
  ストラスブール(Strasbourg)はEU本部があり、またドイツに接していることもあり国際的な雰囲気を持つ街です。パリ~ストラスブール間は乗客数が多く、特急が1時間おきに運転されており、現在TGVの新線「TGVーEST」が建設されています。
 今回はスイスのバーゼル(Basel) に1泊した後、ストラスブールに回りました。バーゼル~ストラスブール間は在来線でも最高速度が早く、電気機関車牽引の客車列車が180km/hで走行しています。TGVアトランティック線は在来線で200km/hで走る区間がありますが、純粋な在来線ではこのバーゼル~ストラスブール間が最高です。
ストラスブールを歩く
ストラスブール行列車 バーゼルSNCF駅にて

まずは恒例 ホテル探し
 どこの街へ行ってもそうなんですが、駅に着いたらまずホテル探しから始めます。ストラスブールの駅を出てトラム工事中の駅前広場を渡り、メール・キュス通り(Rue du Maire Kuss) を進みます。通りに沿っていくつか手ごろなホテルがありましたが、もう少し街中で、と考え先に行くことにしました。

 キュス橋を渡るとイル川に挟まれた大きな島になりますが、ここがストラスブールの旧市街で、第一候補のホテルを目差しグラン・リュ(Grand Rue) を進み、10分くらい歩いてフランコ・ブルジョワ通り(Rue de Francs Bourgeois)に当たり、ここで再びトラムの工事にぶつかりました。フランコ・ブルジョワ通りは旧市街でも賑やかな通りで、両側にはデパートや商店が軒を連ねています。この通りはトラム開通後は車を閉め出し、歩行者がゆっくり歩けるようトランジット・モール(いわゆる歩行者天国)となるようです。トランジット・モールはトラムの先進国ドイツではかなり普及していて、街の中心部ではトラム、バス(トロリーバス)などの公共交通機関以外を道路から閉め出し、歩行者にも道路を歩いてもらおう、というものです。商店などの多い中心街であるため、搬入や搬出の車もありますが、これらは決まった時間にのみで入りが出来ると定めたところが多いようです。

 さて、ホテルですがブルジョワ通り沿いの第一候補は満室で、第二候補のホテルを探すべく、クレベール広場(Place Kleber) に向かうことにしました。フランコ・ブルジョワ通りを3分ほど行くと旧市街で一番広いクレベール広場に出ます。広場に面した第二候補のホテルにはうまい具合に空室があり、広場全体をを見おろことが出来、またビルの向こうにヌフ寺院やカテドラルの塔が見える広い部屋を確保することができました。

旧市街散策
  ホテルでひと休みの後、旧市街の観光にすることにしました。まず、街のシンボル、カテドラル(Cathedrale Notre-Dame) に向かうことにして、ホテル前のだだっ広いクレベール広場を横断し、グランデ・アルカード通り(Rue des Grandes Arcades)に入りました。この通りも繁華街らしく両側には商店が並び人通りも多いのが印象でした。ストラスブールのカテドラルは高さ 142mの尖塔を持ち、街もどこからでも見ることができますが、近づくに従って見えなくなりました。ホテルより10分ほど歩いたグーテンベルク広場(Place Gutenberg) からカテドラルに曲がった途端、目の前に迫る赤いカテドラルが目に飛び込んで来ました。曲がり角から写真を撮ろうと思いましたがフレームに全体が入りきらず、通りの反対側に渡ってようやく収まるほどでした。
ストラスブールを歩く  このカテドラルは近郊のボージュ山地から切り出した赤色砂岩で出来ており、全体が赤く見えるのが特徴です。カテドラルの前はどこでも同じように、観光客や参拝者に混じり物売りがいたり、パリのサクレ・クール寺院の前のように多くの似顔絵書きがいました。また、カテドラルの周辺にはお土産屋やレストランも多く、時間もお昼を過ぎたのでランチにすることにしました。

午後の散策
 昼食の後、イル川沿いを歩きアルザス博物館(Musee Alsacien)を訪ねました。アルザス博物館にはこの地方の住居、衣服、生活道具などが展示されていて、アルザス地方の文化・生活が大変良く理解できました。博物館の後、旧市街をしばらく散策し、グーテンベルグ広場の近くのスーパーでミネラルウオーターなどを調達し一旦ホテルに戻りました。
=写真= イル川の観光船
ストラスブールを歩く
ストラスブールを歩く ホテルで小休止し、今度は白壁に黒い木組みの建物が並ぶ小フランス(La Petite France)と呼ばれる地区へ足をのばしました。ここはイル川の流れの中に出来た中州の様なところで、小フランスと言いながら木組の家が有るのはちょっと妙で、小ドイツとも言えそうです。この地区はほとんどがレストランとカフェ、みやげ物やで占められていて、狭い路地に多くの観光客がひしめいていました。

ユーロトラム
 さて、私の泊まったホテルの横ではトラムの停留所が建設されていました。 ここストラスブールに導入される予定の「ユーロトラム」は超近代的な車両で、床は地面より約20cm、車椅子や体の不自由な人でも安心して利用できるように設計されています。そんわけで、停留所と言っても安全地帯(薬師丸ひろこの旦那じゃない!!)は無く、ガラス製の円形屋根があるだけの質素なものです。が、この円形屋根がまたおしゃれで、いかにも「フランス」というデザインです。道路にはすでにトラムの線路が施設されていて、架線を張ればすぐにでもトラムが走れそうな雰囲気です。

 トラムの線路はホテル横からクレベール広場を出て、大型スーパーのあるノイエー通り(Rue de Noyer)を通り、橋を渡り旧市街の島を出ます。島を出たところから地下に入り、線路はストラスブール駅前の地下に達していました。島を出たところには近代的な建築のノボテル・ホテルがあり、その辺を少しぶらついてみましたが、旧市街以外は新しいビルがかなり建設されているのが見えました。また、反対方向はフランコ・ブルジョワ通りを進むとイル川を渡り旧市街地を出ます。

いよいよ夕食だ
  夕食は再びカテドラルまで行き、手ごろなレストランを探しました。レストランの前にはムニュ(Menu=定食) の案内が掲げられていて(いわゆる高級レストランには有りません)、前菜+メインが50FFr程度で食べられます。私はカテドラルとイル川の間の20人が入れば満員になる小さなレストランに入り、前菜(忘れました)とメインにシュークルート(Choucroute)をオーダーしました。シュークルートはここアルザス地方の料理で、ザウワークラウト(酢漬けキャベツ)にソーセージやベーコンを盛り合わせた料理で、フランス料理と言うより全くのドイツ料理です。そして、ワインにはやはりこの地方特産のリースリング(Riesling)を注文しました。リースリングはフルーティーな白ワインですが、シュークルートには良く合う様です。

 前菜を食べ終え、メインのシュークルートが来ると、皿の上には山盛りのザウワークラウトにベーコン(というより豚の三枚肉そのものだ)と蒸かしたジャガイモがこれもドカっと乗っていました。隣の席にはいかにもドイツ人という男性3人組が座っていましたが、テーブルには空になったワインボトルが4本あり、ジャガイモの追加をしている光景が目に入りました。顔は真っ赤、腹は出放題、「まだ食うんかい!!」と言ってやりたい気分でした。

 とは言うものの、シュークルートもリースリングも大変美味しく、肉を若干残しはしましたがお腹いっぱい食べることが出来ました。この手のレストランでは、食事とワイン、デザートとコーヒーでだいたい 100FFR以下で満足することが出来ます。

パリへの列車
  翌朝、パリに戻ることにしストラスブールから列車に乗りました。始めにも書きましたが、パリ~ストラスブール間はTGVが建設されるほど利用者の多いの路線で、常に乗車率の高い路線です。私の乗った列車もストラスブール発車時にはほぼ満席で、途中からの乗車は空席を探すために車内を移動していて、沿線で最大の街ナンシーでも降りる客はなく、乗客は増える一方でした。今後、ナンシーなど訪れるときは、帰りの列車に注意しないといけません。
  ナンシー発車後、ビュフェに行きましたが、こちらもたいへん混んでいました。この編成には「キッズ・ルーム」が付いた車両があり、車両の半分程度の椅子を取り去り、そこにカーペットを敷き詰め小さなジャングルジムとすべり台を置いたものです。子供が長旅にも飽きないようにと連結されているものでが、この混雑で子供室にも乗客が乗り込み、カーペットの上に座り込んでいる人がたくさんいました。平日の昼間だったためか、子供はいませんでした。 ストラスブールを歩く


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