アジアを旅する 1

シンガポールの都市交通"

シンガポール

都市交通

シンガポールの都市交通"


  シンガポールは北緯1度の赤道直下、気候は温暖で平均日中30度、夜間24度という気温が一年中変わらない国です。淡路島とほぼ同じ大きさの国ですので規模の大きい鉄道網などありませんが、最新鋭の地下鉄やバスが活躍しています。

搭乗日搭乗区間便名
1992年9月13日TOKYO/NARITA(12:50) ~ SINGAPORE(18:45)JD231
1992年9月17日SINGAPORE(23:25) ~ TOKYO/NARITA(7:10)JD232
 成田空港到着は翌日 JDはJAS(日本エア・システム)

MTR
  シンガポールの地下鉄MRT(Mass Rapid Transit)は1987年開通し東西線と南北線の2路線42駅があります。地下鉄と言っても地下駅は市内中心部の15駅だけでほかの駅は全て地上(高架)駅ですので地下鉄と言うべきか難しいところです(総武・横須賀線の東京トンネルを想像して下さい)。実際「SUBWAY」等の文字は見あたらず、駅の入り口や地図など全て「MRT」となっています。

 運賃は初乗り60セント(約48円)からでいちばん距離のある東西線Pasir Ris駅←→Boon Lay駅間も所要時間56分で1ドル50セント(約120円)と大変安くなっています。乗車方法は日本とほぼ同じでまず、自動券売機で切符を買います。使えるお金はコインのみでS$2以上のコインは使えません。切符は日本のような紙でなくオレンジカードと同じ大きさのプラスチックカードで金額が磁気エンコードされています。

改札機は全て自動改札機で有人通路はありません。地元の人はJR東日本の「イオカード」と同じく直接自動改札機に入れる通称「ブルーチケット」を持っていますが、旅行者には風景写真の付いた「TOURIST SOUVENIR TICKET」がS$6(480円)で売られています。これもブルー・チケット同様切符を買う手間が省ける便利なカードです。

 ホームへは必ずエスカレーターがあり、地下ホームには営団地下鉄南北線のようにホームと線路がガラスで仕切られていて、列車が到着すると列車とホームのドアが同時に開きます。しかし、この仕切も地上駅にはなく、安全・保安のためでなくホームの空調のための様です。
 車両は6両編成で全車冷房・側窓固定です。連結妻面は全て貫通しているため空気の流動がよくたいへん涼しく感じられます。
 シンガポールは禁止法律の好きな国で、MRTにも禁止事項が多くその例をあげると・・・

 ● 規定時間内に改札口より出ること
  ・同駅内 改札後20分以内
  ・1~4区間内 40分以内
  ・5~9区間内 60分以内
  ・10~15区間内 75分以内
  ・16区間以上  90分以内
  この時間を越えた場合は、チケット無効、罰金$S2
 ● 喫煙、飲食禁止(車内、駅構内) 罰金$S500(約4万円)
 ● 車内および駅構内への動物持ち込み禁止
 ● 無効な切符での乗車禁止(当たり前!!
 ● 座席の上に足を投げ出すこと禁止
 ● 車内および駅構内でのギャンブル、行商、ビラ張りの禁止
 ● 車内でドアに寄りかかること禁止

  N12 Yishun駅から乗り、駅や車両の写真を撮りC2 City Hall駅で降りようとしたところブザーが鳴り改札機が開きませんでした。えきいんのいるじむしつへいったところ「You are Time Over」と言われて追加料金を取られそうになったので、日本語でまくしたてたらそのまま出してくれました。ヤバイ時はこの手に限ります!!

バス
  シンガポールの交通手段としてMRTに並びバスが重要な役割をしています。路線網が大変充実していますが路線が入り組んでいて自分の行きたいところへいく路線を探すのも一苦労です。「Bus Guide」と言うバス路線図も売られているようですが手に入りませんでした。私の場合、観光地の一つ「セントーサ島」の入り口まで行くバスが宿泊ホテルの前に止まったのがラッキーで、ほかの観光地へ行くにもこのバスに乗り途中で乗り換える方法で市内をカバーできました。料金は均一ではないので乗る前にバス停の料金表を見て目的地までの料金を調べ、乗車の際に運転席横の運賃箱にいれます。運賃は50¢(40円)から90¢(72円)と安く本数も多いのでずいぶん利用しました。また、乗客の多い路線には2階建てバスも導入されており、2階最前部からのかぶりつきもお薦めです。

 車両は15年以上前のオンボロ車から冷房完備の最新型までありますが、冷房化は大変遅れていてせいぜい5%と言うところでしょうか。おまけに車によって冷房料金(15%)が加算されています。
 シンガポールは香港やマレーシアと同じく英領であった時代があり、その名残で今でも左側通行です。乗用車やトラックは8~9割が日本車ですが、バスはほとんど欧州車でした。

マレー鉄道
  シンガポールは大変小さな国なので本格的な「鉄道」を持っていませんが、タイ~マレーシアを結ぶマレー鉄道が乗り入れています。しかし、マレー鉄道のシンガポール駅にはイミグレーション(出入国管理)と税関があり、改札口を入るとシンガポールの出国審査、すぐにマレーシアの入国審査があります。すなわち、シンガポール駅のホームはすでにマレーシアになっていて、「忘れ物をした!!」と簡単にコンコースには戻れません。最初の停車駅がマレーシアのジョホール・バル駅なので、シンガポール駅で諸手続きをしても大丈夫なわけです。これら手続きのため出発時刻の30分ぐらい前に駅にきていないと乗車できないこともあるそうです。もちろん、発車間際の飛び乗りもダメです。

 このマレー鉄道に1993年1月末より東南アジア板オリエント急行が登場するという案内板を見ました。運転区間はシンガポール~クアラルンプール(マレーシア)~バンコク(タイ)ナミスコタイ(タイ北部)で、名前は「Eastern & Orient Express」。定期列車としてシンガポール~バンコク間を週1往復して、所要時間は片道41時間。ほかに、シンガポール~マラッカ(マレーシア)間、バンコク~スコタイ間の臨時列車やシンガポール~バンコク間のチャーターも可能とのことです。
 運行はV.S.O.E(VENICE SIMPLON ORIENT EXORESS)社が担当し、車両はニュージーランド鉄道用車両を1930年代のコロニアル・スタイルに改装、客室はダブル・キャビン、スイート・キャビン、プレジデンシャル・スイートの3種類で各車両にスチュワードが乗務するそうです。(英語の案内板だったので間違えがあるかも知れません)

 マレー鉄道はシンガポールから特急、急行、各駅停車(レールバス)が1日5本マレーシア、タイに向かっていますが、ダイヤがよく変わるようなので乗られる方はご注意を!!

モノレール
  シンガポールには1線だけモノレールがあります。と言っても都市交通のためではなく、観光地の「セントーサ島」の島内観光用のものです。一応誇座式ですが、小田急線向丘遊園駅から遊園地へ行くやつよりはるかにセコイので、遊園地の遊技施設に近いものです。
 全長 6.1kmの路線上に7駅が設けられていて、1周30分かかるので平均時速12.5km/h程度です。入島料$5( 400円) を払えば乗り降り自由なのでラッチなどありません。

模型店
  鉄道模型店がいくつかあるとの情報を得ていたので、ホテル備え付けの電話帳「イエローページ」をめくって市内に3軒探しました。いずれも繁華街のショッピングセンターに入っていてあまり広い店ではありませんでした。売られているものは日本製のラジコンが多く鉄道模型は店のすみに少しある程度で日本製品はありませんでした。

 HOゲージではドイツの新幹線「ICE」3両編成が$S600(5万円)でした。値切ればもっと安くなったのかも知れませんが、標準値段が分かりませんでしたので手は出しませんでした。また、近くに日本でもおなじみの「トイザラス」もありませんでしたが、こちらには鉄道関係はありませんでした。(香港の「トイザラス」にはじ若干ありましたが)

おわりに
  今回はJ○Bの格安フリー・ツアーに便乗しました。往復航空券とホテル4泊、さらに空港~ホテルの送迎、半日市内観光(私は行かなかった)がパックされ 69,000円でした。ちなみに、東京~シンガポールの正規往復航空運賃は 244,000円です。

 航空機は日本アシステム(旧 東亜国内航空)、機種はエアバスの国内線投入により余剰となったDC-10でした。この機、1週間にシンガポール4往復とホノルル2往復をこなす、JASとしてはめずらしい国際線専用機です。

 帰国便はシンガポール発が深夜0時30分、1時15分ドリンク・サービス、2時夕食(メニューには「晩餐」とある)、3時映画放映、5時30分朝食サービス、7時10分成田空港到着と寝る暇のない、いたれりつくせりのサービス(?)でした。最後は通勤特急よりも遅い「モーニングライナー」に乗ることが出来、今回の旅行も無事終わりました。

旅行期間 1992年9月13日~17日

本HP上のデータは、1992年のものです。


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