鉄道模型工作シリーズ 6 |
下北・津軽を走る き・ら・き・ら みちのく |
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■ 実 車 |
き・ら・き・ら みちのくは、東北新幹線の八戸延長に伴い、新幹線乗り継ぎによる下北・津軽方面への観光客の誘致を目的に製造された、気動車改造による新型ジョイフルトレインです。車両は東北地区配置のキハ40系48形気動車3両で、土崎工場で改造され八戸運転区に配置されています。 車両の改造点は、両先頭車(キハ48-1505、キハ48-1506)の運転台が非貫通となり、大型の前面ガラスを配置して、運転台後部(助手席側)に設けられた展望席から前方の展望が出来る様に工夫されていて、側窓も1640mm×1220mmと拡大され、シートピッチは1000mmとなりました。座席は普通車ながら2+1列と豪華な作りとなったうえ、2列席は100mmかさ上げされたハイデッキ構造となり、大きな窓からの車窓展望に重点が置かれた改造となっています。
中間車となるキハ48-1534は貫通式の運転台が存置され、室内は家族・グループ向けに畳構造のボックスシートとなっています。こちらも床のかさ上げが施され、車窓展望が考慮されています。 |
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車 両 | 製造年月日 | 製 造 所 | 新製配置 |
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キハ48-1505 | 79.8.24 | 新潟鐵工 | 八 戸 |
キハ48-1534 | 80.3.11 | 富士重工 | 小牛田 |
キハ48-1506 | 79.8.24 | 新潟鐵工 | 八 戸 |
■ 模 型 製 作 |
キハ80系、キハ58系のジョイフルトレインを製作してきた私にとって、40系気動車はキハ47形以来2度目の製作です。20系や58系気動車を駆逐した40系気動車にはあまり良い印象は持っていませんでしたが、ここ10数年全国各地で幅をきかせている40系気動車に嫌悪感を持っていてもしょうがありません。(と言っても、東日本では100系列気動車の進出で、40系列の先行きも・・・) この辺で40系の増備をと思い作り始めた矢先に、この きらきらみちのく が登場しましたので、MBLも視野に入れ今年の8月頃から製作を始めました。 図面は、「鉄道ファン」2002年8月号(通巻496号)の折り込み形式図や「鉄道ピクトリアル <特集>キハ40・47・48形」1993年2月号(通巻571号)の形式図を元にケガき、全体の雰囲気や車内の状況は鉄道ファン誌記事や実車に乗車されたT氏からいただいたパンフレットを見ながら製作しました。
ボディ側板は、通常0.3tmmの工作用紙に0.5tmmの補強を張っていますが、この車両は側窓が大きいためボディの耐久性を考慮して、外板・補強ともアサクサモケイ製0.5tmmの工作用紙を用いました。一般的にペーパールーフと言うと、ボディと屋根をケガいたペーパーの屋根の部分を丸め、補強などをして組み立てられるようですが、私の場合はこの「丸め」がうまくいかずに屋根がボコボコに成ったり窓枠が歪んでしまったりするため、長い間木製屋根を使用していました。がしかし、木製屋根の供給も少なくなり(あっても高くて手が出ません!)、いろいろ試行錯誤した結果、木製屋根の時と同じようにボディを組み立て、屋根カーブに合わせて湾曲させたペーパーの板を載せる方法にたどり着きました。 |
■ 車 体 形 成 |
車体工作はまず、ケガいた側板の腰部を曲げ、窓・ドアを切り抜き、別途切り抜いた客用ドアと補強内張り、さらに3×3の補強材を所定の位置に張ります。次ぎに、側板と前面板・妻板を張り車体を組み立てますが、この時、角が直角に成る様に注意をします。 屋根用ペーパーは、強度を得るために0.5t工作用紙を2枚重ねて作ります。工作用紙を車体幅プラス1mmの幅に切り出し、1枚の工作用紙に3mmごとに鉄筆 もしくは 使用済みボールペンでスジを入れ、屋根のR(カーブ)どおりに曲げていきます。もう1枚の工作用紙はスジを付けずに、手で時間を掛け屋根R近くまで曲げていきます。屋根Rに近くまで曲げたところで、手で曲げた工作用紙が上になる様に2枚をボンドで接着し、裏側に3×3角材の補強を入れます。 ボンドが乾いたところでサイドカーブをチェックし、屋根Rに合致する様でしたらボディに接着します。Rが合わない様でしたら、指で丁寧になじませる様に曲げていきます。
組み立てが終わったところで、車体の成形にかかります。まず、肩の部分を曲線を出すため荒めのサンドペーパーで屋根と側板の接合部を削ります。スケールどおりの肩カーブが出たところで、削った部分に瞬間接着剤をしみ込ますように塗りますが、これは完成後に肩部分のひび割れを防止するためで、以前に使っていたサフェーサー処理より効果があるようです。 |
■ 下 地 処 理 |
下地処理はまず、車体全体に薄く溶いたパテを塗り、乾燥後に表面が平滑になるように600番程度のサンドペーパーをかけます。表面に大きなキズなどが無いか確認し、へこみ、キズなどがありましたらパテを塗り込みます。溶いたパテは1時間前後で乾きますが、塗り込みパテは2~3日乾燥させる必要がありますので行程が止まってしまいます。 私の場合、溶いたパテ塗り→乾燥→サンドペーパーを3回程度繰り返しますが、この間にサンドペーパーの目が段々と詰まって行き、表面の平滑化には丁度良い目の細かさとなります! 最後にホワイトサフェーサーを吹き、800番前後で表面がより平滑になるように磨きます。 |
■ 塗 装 |
塗装はまず、下半部の白(GM No.37)からスプレーを吹き、次ぎに赤(同 No.27)、最後に窓周りのダークグレーを塗りました。ダークグレーは塗料になかったので、黒とグレーを調色し筆塗りしました。塗装終了後、窓周りに黒を入れ、ボディは完成となりました。 |
■ 下 回 り |
動力は3両編成ですので、余剰になったDV18系モーター+インサイドギアや、パワートラック、床下電動などが考えられますが、工期と走行性を考慮しエンドウのトラクションモーター26を採用しました。軽いペーパー製車体なので1台でも走行しますが、勾配などを考え2台搭載とし、両先頭車に1台ずつ配置しました。 キハ40系の台車は3種類あり、模型のものはDT44Aで、過去に40系気動車を作ろうとした時に日光モデルのKD71を加工したものがあったのでこれを使用しました。 カプラーは両先頭部にダミーカプラーを、連結面および中間車の先頭部にはカトーカプラーを取り付けました。 |
■ ラ イ ト 類 |
ヘッドライトは2灯2連の4灯が設置されていて、上部は黄色、下部2連は外側が白色に内側が黄色に発光します。そこで、上部灯については黄色LEDを下部灯については白色LEDを使うことにしました。下部灯の黄色については透明プラ板に黄色の透明塗料を塗り、白色LED1個で白色と黄色を表現しました。 テールライトは運転台中段に2個あり、赤色LEDそれぞれ入れました。 =写真= ヘッドライトと室内灯を点灯 テールライトにヘッドの光が回ってしまいました! |
室内灯は当社で積極的に採用している白色LEDを使いました。白色LEDは発行色が蛍光灯に近く消費電流が少ないので、昭和40年代以降の電車・気動車の室内灯には最適です。最近では白熱球色のLEDが出回っており試してみるとちょっと暗いのが残念ですが、白熱灯時代の旧客や気動車にはピッタリですので、白色LEDと使い分けると良いのではないでしょうか。 |
前述の様にLEDには極性があるため、極性により進行方向を変える鉄道模型では線路とLEDの間で極性を統一しなければ成りません。そこで出てくるのがブリッジダイオード(BD)です。線路から集電した電気をBDに通すことにより、極性が統一されLEDを点灯させることが出来ます。このほか、回路には過電流保護のために抵抗または定電流ダイオードを、さららにちらつきを防止のためにコンデンサーを入れます。 |
■ 室 内 設 備 |
この車両は、両端先頭車と中間車で座席配置が異なりますので、模型でも実車に沿い先頭車室内には、カツミ製シングルシート(オレンジ)を、中間車には同 クロスシートを入れました。また、シングルシートには長年の懸案であった「ヘッドカバー」を取り付けてみました。白いカバーが白色LEDの光を反射し、室内灯の効果をアップしています。 |
今までもシールなどを使いカバーを表現しましたが、貼り付け後しばらくすると剥がれてしまう、などのトラブルがあったため、今回は薄手のアート紙に直接ボンド(100円shopで売られている、ゴム用を使いました)を付け貼り付ける方法を採りました。貼り付け後2ヶ月ほど経ちましたが、今のところ剥がれは確認出来ません。もう少し時間をおいてから、採否の結論を出したいと考えています。 |
■ 終 わ り に |
国鉄民営化の前後に製造・改造された第一世代のジョイフルトレインのもそのほとんどが淘汰され「ジョイフルトレインの時代は終わったか!」と思わせましたが、ここ数年で路線や地域を限定した車両が出てきました。いずれも3~4両と手頃ですので、機会をみて製作したいところです。 「き・ら・き・ら みちのく」の完成で、当社にも久しぶりにジョイフルトレインが増えました。皆様のご乗車をお待ちしております。 |
リゾート列車 |
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12系お座敷客車「やすらぎ」6両 |
キハ59系アルファコンチネンタルEXP. |
キハ83系フラノエクスプレス |
キハ83系トマムサホロエクスプレス4両 |
キハ183系ニセコエクスプレス3両 |
キハ183系クリスタルエクスプレス4両 |
キハ58系グラシア(現 こがね) |
キハ40系き・ら・き・ら みちのく3両 |
キハ71系ゆふいんの森4両 |
キハ40系リゾート「みのり」3両 |