GO TO トラベル 便乗
三陸鉄道 2020

 2020年GO TO トラブル・キャンペーンも始まりましたので、東北地方 三陸海岸と五能線・男鹿線を回ってきました。2日目の五能線 リゾートしらかみ はホントにトラブルでした!!

■1日目(日曜日)
 初日は、東北新幹線 はやぶさ1号で八戸駅まで行き、JR八戸線で久慈駅まで、さらに三陸鉄道リアス線で宮古駅、釜石駅で乗り継ぎ盛駅まで、最後はBRT大船渡線でこの日の宿泊地 気仙沼駅までを予定。
 本来なら東京から近い三陸海岸の南側から入るのが順当でしょうが、接続時間の都合もあり今回は北側から入りました。

1日目の行程
 東京駅はやぶさ1号八戸駅 → 八戸線 → 久慈駅 → リアス線*1宮古駅 → リアス線*1釜石駅 → リアス線*1盛駅 → BRT大船渡線 → 気仙沼駅(泊)
リアス線*1 は、三陸鉄道リアス線

 さて、GO TO キャンペーンが始まり日曜朝の東北新幹線にどれだけのお客さんが乗っているかだが、東京~仙台間は2割程度で思ったより少なかった。が、仙台からドッと乗ってきて6割位に成り、盛岡でドッと降り2割以下に成ってしまった。シーズンオフの朝はこんなモンでしょうか!

 はやぶさ1号は八戸着が9時22分で乗り継ぎの八戸線久慈行きは10時07分だが、9時32分の鮫行き(1431D)で八戸市の中心駅本八戸駅まで。駅近くの城址公園をブラッとしようと思ったが急な大雨で駅構内散策に変更。  

三陸鉄道・五能線・男鹿線
本八戸駅に停車中のキハE131系500番台

三陸鉄道・五能線・男鹿線
北口側には大型ビジネスホテルも進出しているが、南口(城址公園)側には旧来の旅館も健在



 駅構内で時間をつぶし、10時15分発の久慈行き(433D)に乗車。ところでキハ40系に代わって登場したキハE131系500番台だが、変速時のショックがほかの車両よりも大きい気がする。AT車だから運転手さんの技量うんぬんでは無いと思うんだが。
三陸鉄道・五能線・男鹿線
陸中八木駅は海のそば
3・11の津波では構内留置中の除雪用ラッセル車が波に倒されたそうだ



 11時46分定時に久慈駅到着。次の三陸鉄道リアス線 宮古行は12時06分、乗り継ぎ時間は20分有るけど、写真撮影や駅構内の探索をしているとすぐに過ぎてしまう。
 構内に停車中のラッピング車36-105形は、3・11の際に吉浜 - 唐丹間の鍬台トンネルで警報を受信し停止したためトンネル出口側で発生した橋梁破損を避け、落橋の惨事に遭わず奇跡の車両と呼ばれた。
三陸鉄道・五能線・男鹿線
36-105(1984年4月開業時から使用)

三陸鉄道・五能線・男鹿線
三陸鉄道久慈駅。JRに比べるとかなり小振り!



 久慈駅からは、12時06分発の宮古行(2016D)で終点宮古駅まで。終始4人掛けボックス・シートが2~3人で埋まるくらいの乗客数だった。
 三陸鉄道の36-700形は701~706と711~718の14両が在籍する三陸鉄道で最多両数の形式となっている。

三陸鉄道・五能線・男鹿線
宮古行き36-700形2両編成

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陸中野田~堀内間の安家川橋梁では数分間停車
河口と下安家漁港を望む

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河口方面から振り返ると道路橋が工事中

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田野畑駅近くの水門は三陸鉄道カラー

 宮古に近い田老駅周辺は津波の被害を受け、集団移転事業で集落が500mほど離れた高台や新たに造成された団地に移転した。そこで新しい集落や団地に近い場所に新駅 新田老駅が2020年5月18日に開業した。
 新駅は田老総合事務所新庁舎と一体整備され、地元の行政機関や商工団体、金融機関が入居し、新しい地域交流の拠点となった。 


 13時57分ほぼ定時で宮古駅着。接続は14時13分発の釜石行(2016D)、釜石駅で列番変更し車両はそのまま盛駅行(2216D)と成るので、乗り換えなしで盛駅まで乗車。  

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側線にはレトロ車両 36-R3形と36-200形 が留置中
 宮古駅~釜石駅間は元JR山田線の区間。震災から復旧の際にJRによる復旧やBRTなどの案が出されたが、線路を復旧し三陸鉄道に移管するということとなった。の結果、三陸鉄道北リアス線~JR山田線~南リアス線と別れていた線が三陸鉄道リアス線として復旧した。  

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柵のこちら側に立てないと見えません

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津波の被害の大きかった大槌町の大槌川河口には巨大な水門が造られた



 2016Dは15時38分定時に釜石駅到着、乗客のほとんどが釜石で降りてしまった。車両は2216Dとなりそのまま盛駅まで行くが、釜石駅発車時の乗客は2両で8人ほどだった。

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JR釜石線ホームには15時57分発花巻駅行(662D)が待機中だが、こちらもほとんど乗っていない


 釜石駅から乗ること約50分、16時35分盛駅に到着。曇っていることもありかなり暗くなってきた。
 16時54分発の折り返し釜石行2215Dはこの2両編成が戻るのかと思ったら、この車両はホーム奥方に押し込まれ、側線で待機していた単行車両がホームに付けられた。

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盛駅側線に留置中の岩手開発鉄道のホキ群と入線する単行車両



 今日最後の乗り物はBRT大船渡線。BRTとは、バス・ラピッド・トランジット(Bus Rapid Transit)の略で、バス専用道、バスレーンを組み合わせることで、速達性・定時性を確保したバスシステム。
 三陸沿岸のBRTは、津波で破壊された鉄道線を早く・安価に復旧させるために導入され、盛駅~気仙沼駅間の大船渡線と気仙沼~柳津間の気仙沼線が整備された。

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盛駅に到着したBRT大船渡線の車両。

 盛駅17時27分発の気仙沼行きBRTに乗ったのは私一人。市内に近い大船渡駅から3人乗って乗客は4人に増えた。
その後BRTは順調に走り、平日なら乗降客の有りそうな高田病院や高田高校前でも乗り降りは無く、陸前高田駅を過ぎたところで一人下車し、そのまま3人を乗せBRTは定時の18時53分に気仙沼駅に着いた。

三陸鉄道・五能線・男鹿線
BRT大船渡線 気仙沼駅(翌朝撮影)

 第1日目は気仙沼で終了、駅前のビジネスホテルに泊まることにした。

ホテルの宿泊料金は 5,100円(税込み)だが、GO TO キャンペーン協賛ホテルなので35%割引の 3,315円(税込み)となり、さらに 1,000円分の地域共通クーポンを貰えたので、実質 2,315円(税込み)か!

三陸鉄道・五能線・男鹿線
地域共通ながら青森県は除外!

乗車列車

■2日目(月曜日)
 2日目は、気仙沼からBRT気仙沼線に乗り、JR石巻線の前谷地駅まで。前谷地駅から女川駅まで往復し、石巻駅から仙石・東北ラインの快速で仙台駅まで。
 昼食後、仙台駅から東北新幹線はやぶさで新青森駅、新青森駅からキハ40系で運用と思われる普通 弘前駅行きで弘前へ。弘前からは五能線を走る リゾートしらかみ号で秋田駅まで通し乗車で秋田泊、と予定していたがここでトラブル発生

2日目の行程
 気仙沼駅 → BRT気仙沼線 → 前谷地駅 → 石巻線 → 女川駅 → 石巻線 → 石巻駅 → 仙石東北ライン → 仙台駅はやぶさ21号新青森駅 → 奥羽本線 → 弘前駅 → 五能線*2東能代駅 → 奥羽本線 → 秋田駅(泊)
五能線*2 は、リゾートしらかみ6号



 気仙沼駅は、被害の大きかった市街地から丘を越えたところにあり、駅舎も周囲の建物も健在。

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ホテルの窓から気仙沼駅を見る

三陸鉄道・五能線・男鹿線
鉄道とBRTの発車案内

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側線で待機中のキハ100系(326D)

 BRTの乗り場は、鉄道時代の線路部分を嵩上げして舗装したもので、ホームは昔のまま使っている。
停車中のBRTは盛駅行、右車線は柳津駅、前谷地駅方面のBRT乗り場。右は気仙沼駅本屋、鉄道の大船渡線(一ノ関駅方面)は画面左後ろになる。

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BRT 気仙沼駅

 気仙沼駅からは6時30分発の前谷地駅行に乗車。本来のBRT気仙沼線は柳津駅までだが鉄道を補完するため日に5本前谷地まで直通する。
 さて乗客だが、日曜日の昨日と違ってBRTも通勤・通学客で混んでいる。気仙沼駅~柳津駅間にはいくつかの高校があり乗降がそこそこある。しかしながら、柳津駅に着くころには乗客も居なくなり、終点前谷地駅(8時49分到着)までは私一人だけだった。ここまで所要約2時間30分、運転ご苦労様でした。折り返し10時10分の気仙沼駅行きまで待機。

三陸鉄道・五能線・男鹿線
BRT 前谷地駅

 この付近のJR線はキハ110系の天下。両運のキハ110形の2両編成やキハ111+キハ112の編成ばかりだ。 

三陸鉄道・五能線・男鹿線
前谷地駅に停車中の女川行(左)と柳津行(右)

 石巻線の終点 女川駅は津波に駅舎が流され、2015年(平成27年)に200mほど内陸部に新駅舎が建設された。この時、停車中の列車(キハ40系)も流されている。
 女川駅からは10時09分発の折り返し小牛田駅行(1630D)で石巻駅まで戻ることにする。

三陸鉄道・五能線・男鹿線
大変立派な駅舎となった女川駅

 石巻駅~陸前稲井間の旧北上川に架かる北上川橋梁は工事中で徐行をしていた。良く見ると橋梁が歪んでいる様にも見えるけど大丈夫なのかな。

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要注意の鉄橋



 石巻駅からは2015年(平成27年)5月30日に運行開始した仙石東北ラインで仙台駅に向かうことにする。ここには国内でも数少ないハイブリッド車 HB-E210系気動車が使われている。
仙石線は直流、東北本線は交流のため直通には複電源車やデッドセクション(無電区間)が必要となるが、車両単価や用地の関係で使用出来ない。架線集電を必要としないHB-E210系気動車ならその必要もなく相互に乗り入れることが出来るので採用された。
 HB-E210系のエンジンは発電のみに使われ、エンジンを直接の動力として走行することはない。

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石巻駅に停車中の HB-E210系気動車

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HB-E210系気動車の電光サボ

 仙石東北ラインは、仙石線の高樹町駅~松島海岸駅間に新設された連絡線を使い転線している。高樹町駅を過ぎ窓の外を注視しているとポイントを渡る音がして連絡線に入り、しばらくすると東北本線に合流するのが判った。
 ここには跨線橋はなく、下り石巻行きは東北本線下り本線から渡り線で上り本線に入り、連絡線に分かれる仕組み。



 仙台駅で昼食の後、12時54分発のはやぶさ21号で新青森へ、さらに奥羽本線で弘前に向かった。

 今日のメインエベントは、五能線を走るリゾートしらかみ号。現在はこのリゾート列車にもハイブリッド車が導入されているが、当初はキハ48形気動車から改造された車輛だけだった。ハイブリッドではない改造車として残るのは「くまげら」編成だけで近いうちの置き換えも考えられるので、今のうちに乗っておくことにする。
 弘前16時発、秋田着20時44分と行程の3分の2は暗闇の中を走ることになるけど、今回は景色よりくまげら乗車が目的なので我慢しよう。

三陸鉄道・五能線・男鹿線
奥羽本線 弘前駅

 弘前駅を出発して川部駅で進行方向を変え五能線に入る頃は天気も良かったけど、五所川原に近づくと黒い雲が出てきた。雨雲レーダーを見ると日本海にポツポツと雨雲が有り、日本海側から陸地へと近づいている。

三陸鉄道・五能線・男鹿線
津軽富士こと岩木山と黒雲

 五所川原駅を出ると次第に雨風が強まり、列車は北金ヶ沢駅で抑止が掛かった。20分経った頃に車掌から運転打ち切りと東能代駅までのタクシー送致が伝えられた。
15分後位にタクシーが到着し、くまげらの乗客9人(少ない!)は車掌の誘導でジャンボタクシーに乗り18時20分東能代に向かい出発。タクシーは深浦駅とウェスパ椿山で3名降ろし、東能代駅には20時10分頃到着した。

 タクシーの料金検索サイトを見ると、北金ヶ沢駅~東能代駅間は距離 92.2kmで料金 約3万円だそうだ。92kmと言うことは東京駅から真鶴駅辺りまでタクシーを飛ばしたことになる。もちろん料金はJR持ち、運転手さん2時間掛けて帰るんですよね。ご苦労様でした!

三陸鉄道・五能線・男鹿線
ジャンボタクシー(東能代駅)

 強風の影響はしらかみ6号だけではなく、東能代駅20時21分発の岩館行(225D)も運休となり、乗車予定の女性客1名はJRの用意したタクシーに乗って行った。  

三陸鉄道・五能線・男鹿線
東能代駅の案内板。

 東能代駅から秋田駅へは、21時06分発の普通 秋田行(1680M)に乗車、秋田駅には22時03分に到着した。

 2日目は秋田駅前のビジネスホテルに宿泊。こちらもGO TO キャンペーン協賛ホテルなので35%割引の 3,767円(税込み)となり、1,000円分の地域共通クーポンも貰えた。

乗車列車


■3日目(火曜日)
 最終日はキハ40・48形の残る男鹿線 男鹿駅まで往復し、その後前日のリベンジで五能線のリゾート列車に乗ることにした。

3日目の行程
 秋田駅 → 男鹿線 → 男鹿駅 → 男鹿線 → 秋田駅 → 五能線*3弘前駅 → 奥羽本線 → 新青森駅はやぶさ40号東京駅
五能線*3 は、リゾートしらかみ3号

 男鹿線にはすでに 交流蓄電池電車 EV-E801系「ACCUM」(アキュム)が入線していて、約半分の運用が置き換わっているので乗車の際には注意が必要。
秋田駅7時40分発(1125D)とその折り返し男鹿駅9時00分発(1128D)はキハ40系なのでこれに乗ることにした。

三陸鉄道・五能線・男鹿線
秋田駅男鹿線ホームに停車中のキハ40系

 2両編成の気動車は通学生で混んでいたけど、誰も座っていないボックスとロングシートが有った。車両廃車前提で修理・交換しないのだろうか。

三陸鉄道・五能線・男鹿線
三陸鉄道・五能線・男鹿線
三陸鉄道・五能線・男鹿線

 男鹿線の終着駅 男鹿駅は2018年7月1日従来地から南側に移設され新装オープンした。ホームは1面2線で、1番線には EV-E801系「ACCUM」用の給電設備が設けられ、電車は停車中に充電している。気動車は設備の無い2番線を使っていた。

三陸鉄道・五能線・男鹿線
男鹿駅新駅舎

 新駅舎内には、自動券売機のほか待合室・トイレ、また男鹿駅観光案内所(9:00~17:00 / 無休)が入っていて、パンフなどが置いてある。

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待合室の一角には郷土のなまはげ

三陸鉄道・五能線・男鹿線
2番線に停車中の秋田行(1128D)

三陸鉄道・五能線・男鹿線
二田駅で交換したEV-E801系電車(1127M)


 秋田駅に戻り運行状況を確認したところ、五能線が風の影響で遅れているとのこと。どの程度の遅れかは判らないが、乗車券の有効最終日と言うことも有り、昨日のようなことが有ってはと リゾートしらかみ はキャンセルし秋田新幹線で盛岡駅に戻ることにした。

 最終日の別案として平泉の中尊寺に参拝する行程も考えてあったが、建物修繕中との情報を見て次回行くことにした。
 結局、盛岡と仙台で列車の駅撮りをして、仙台駅14時30分発の はやぶさ24号 で早めの帰宅となった。前日のタクシー移動などで疲れたみたいだ。

 ところで、東北新幹線古川駅の近くに東横インと造りがクリソツな東北インと言うホテルがある。確か古川には東横インが有ったはずだと思い調べてみたら・・・!  

乗車列車


 関連ホームページ
■ホテルパールシティ気仙沼
■BRT(Bus Rapid Transit)
■EV-E801系電車
■仙石東北ライン
■旧東横イン古川駅前新幹線口について  


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